父親が親権を得るためのポイント|父親が有利になる条件

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

「イクメン」という言葉が広く浸透していたり、テレビで育休を取得する男性が取り上げられていたりと、子育てに積極的な父親というのは、今や珍しくない時代です。

そのため、離婚することになったときには、子供の親権を得たいと考える男性もいらっしゃるでしょう。しかしながら、調停や審判において親権者を取り決めたケースのうち、約9割は母親が親権者となっています(※2018年時点)。このような現状から、父親の親権獲得は難しいと言わざるを得ません。とはいえ、父親が親権者となる可能性はゼロではありません。

父親が親権を取りづらいのはなぜなのか、父親が親権を獲得するためのポイントは何なのか、本ページで確認していきましょう。

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父親が親権を得ることが難しい理由

父親が親権を得ることが難しい理由として、「継続的な監護養育が難しい」と判断されるケースが多いことが挙げられます。また、昔から、子供が幼ければ幼いほど「母性優先の原則」が有利にはたらくと言われており、父親が親権を取りづらい背景には、この点も影響しています。以降、これらの理由を掘り下げていきます。

継続的な監護養育が難しい

裁判所が親権者を判断する際に重視する要素の一つが、「継続性の原則」です。子供の現在の生活環境に特段問題がないのであれば、急激に環境を変えることは望ましくなく、現状を維持したほうが良いと考えられています。

共働き夫婦が増えているとはいえ、父親がフルタイムで働き、母親が時短で働く等して、子供の世話を主に見ているのは母親であるという家庭が多いのが実情です。そのために、継続的な監護養育が難しいとして、父親が親権を取りづらい傾向にあります。

また、職種等によっては、転勤の可能性がある男性もいらっしゃるかと思います。転勤には引越しを伴うケースが多いでしょうから、子供を取り巻く環境が大きく変わることが懸念され、父親の親権獲得がより難しくなることが予想されます。

母性の優先

子供の年齢が幼ければ幼いほど、母親を親権者とすることが子供のしあわせにつながるという「母性優先の原則」と呼ばれる考え方があります。共働きや父親の育児休暇制度等、子育てに対する父母の役割分担意識に変化がある現在においてもなお、この考え方が色濃く残っていることもまた実情です。

父親が親権を獲得するためのポイント

父親が親権を得る

親権を獲得するために最も重要なことは、子供の立場で「子供のしあわせ」を考えて実現できるか、追求できるかという点です。子供にとってより有益とされるほうが親権者となりますが、そう判断されるポイントは以下のとおりです。

これまでの監護実績

これまで、どの程度父親が育児に携わってきたかという点が考慮されます。育児において「当たり前のこと」を具現化できることが重要です。例えば、どんなに疲れていても一緒に入浴していた、行事へ積極的に参加していた、塾の送迎を行っていた、母親が育児に専念できるよう食器洗いや掃除といった他の家事を積極的に行っていた等です。

離婚後、子育てに十分な時間が取れること

離婚後、子育てに十分な時間が取れるかどうかという点も非常に重要です。残業や休日出勤を控えたり、不在時は祖父母に子供の面倒を見てもらったりする等、周囲の協力を得ながら対応できる体制を整える必要があります。子供優先のライフスタイルを確立できるようにしましょう。

子供の生活環境を維持できるか

「継続性の原則」を維持できるという点も重要視されます。子供は、ただでさえ母親不在で不安に陥っています。加えて転校等、生活環境が一変することは、子供にとって良いことであるとはいえません。子供が安心できる居場所を、確保・維持する必要があります。

父親が親権争いで有利になる場合

親権争いで父親が有利となるケースもあります。重要なのは、その事実をできるだけ、客観的根拠となる資料等で主張立証していくことです。具体的なトピックをみていきましょう。

配偶者が育児放棄をしている

例えば、オムツを替えない、ご飯を与えない、学校に登校させない、家事を怠り生活スペースを不潔なままにしているといった事実がある場合は、育児放棄、いわゆるネグレクトをしているといえます。親権争いの態様によって対処方法は異なりますが、子供を守ることを最優先に、ネグレクトの事実を主張立証する必要があります。

配偶者が子供を虐待している

この場合もまた、父親の親権獲得に有利にはたらきます。身体的暴力、言葉の暴力、性的暴力等、態様は様々です。虐待の証拠や、子供本人への聴取、周囲からの証言が得られる場合には、より有利となるでしょう。

子供が父親と暮らすことを望んでいる

親権者決定において、子供の年齢によっては父親が有利になることも考えられます。おおむね思春期・青年期にあたる15歳以上である場合、子供の意思が尊重される傾向にあります。また、児童期にあたる10歳前後の子供も、ある程度判断能力があるとみなされ、子供の意思が考慮されることもあります。そのため、子供が父親と暮らすことを望んでいることが、父親の親権獲得を後押しするケースもあるのです。

父親が親権を獲得した場合、養育費を請求することは可能か?

養育費

父親が親権者となった場合、養育費を請求することは可能です。離婚したからといって扶養義務がなくなるわけではなく、親権者とならなかった母親にも養育費を負担する義務があるからです。養育費の決定は、お互いの資力や、子供の人数・年齢等、様々な勘案事項があるため、慎重に交渉しましょう。詳細については、下記のページをご参照ください。

父親が親権を得られなかったら子供には会えないのか?

面会交流

残念ながら親権を得られなかった場合でも、面会交流によって子供に会うことができる可能性があります。まずは相手と話し合い、親権を譲る代わりに面会交流を認めるよう交渉してみましょう。双方の合意のもと、会う頻度や祖父母との交流等、細かい取り決めが可能です。面会交流についての詳細は、下記のページをご覧ください。

幼い子供の親権を父親が獲得した事例

子供が幼ければ幼いほど、母親が親権を獲得しやすい傾向にありますが、親権者は絶対的に母親になる、というわけではありません。ここで、幼い子供の親権を父親が獲得することに成功した、弊所の解決事例を紹介します。

依頼者は、精神的に不調な相手方と別居し、幼い子供と依頼者の実母と同居しており、相手方との離婚において何としてでも親権を獲得したいと望んだため、弊所にご依頼いただいたという事案です。依頼を受任したところ、相手方から監護者の指定調停が申し立てられました。

本事案は、相手方との別居時の態様が、いわゆる「子の連れ去り」と評価されるおそれがあったこと、依頼者は会社勤めで、別居前の監護実績では明らかに優位に立つのは難しかったこと等から、依頼者の親権獲得には決め手に欠ける印象でした。

そこで、当面は待ちの姿勢をとり、時間を稼ぎつつ、依頼者が単独で監護している現状を1日でも長くし、監護実績を積むこととしました。また、依頼者には、育児を実母に任せきりにするのではなく、できる限り自分で行うようにと何度も釘をさすようにしていました。

その結果、依頼者が長期間にわたって単独監護を継続し、家庭裁判所の調査官調査でも、子供との十分な親和関係が認められ、子供の監護状態にも問題が見られなかったことから、依頼者が監護権を獲得するに至りました。

本事案で依頼者である父親が親権を得られたのは、①十分な単独監護期間を設けることができたこと、②依頼者は仕事で忙しいながらも、監護期間において積極的に育児を行い、子供との良好な関係を築けたこと、この2点がポイントになったといえるでしょう。

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父親の親権に関するQ&A

Q:

親権は父親が持っています。元妻に子供を連れ去られたらどうしたら良いのでしょうか?

A:

ケースによって対処方法は異なりますが、まずは協議(話し合い)を試みましょう。元妻が子供の引き渡しに応じてくれない場合は、家庭裁判所に「子の引渡し」および「子の監護者の指定」の審判(ないしは調停)を申し立てることになります。

Q:

元妻がネグレクトをしています。親権者を父親に変更することは可能ですか?

Q:

親権は父親で構わないが、育てるのは母親と主張されています。可能なのでしょうか?

さらに詳しく
Q:

乳児の親権を父親が取るのは無理なのでしょうか?

A:

子供が幼いと、親権獲得は母親が有利になりがちです。特に1歳にも満たない乳児となれば、授乳が必要であること等から、母親が親権者となったほうが子供の健全な成長に資すると考えられる場合が多いです。乳児の親権を父親が取るのは無理とまでは言いませんが、非常に稀なケースでしょう。

Q:

未婚の父親が親権を取ることは可能ですか?

A:

未婚の男女の間に子供が生まれた場合、原則、子供を出産した母親の単独親権となります。結婚しない限り、父母の共同親権とすることはできません。

父親が親権を取るためには、まずは子供を認知して法律上の父子関係を明らかにする必要があります。そのうえで相手と協議し、合意に至れば父親が親権を取ることは可能です。

お互いに親権を譲らない場合には、裁判所の手続を利用して親権者を決めていくことになりますが、実情としては、何らかの理由があって母親が子供を育てていくことが難しい場合等を除き、父親が親権を取るのは難しいでしょう。

親権獲得でわからないことがあれば一人で悩まず弁護士に相談しましょう

離婚時の親権をめぐっては、父親ならではのお悩みもあることでしょう。

特に仕事を抱えながら、離婚・親権問題に向き合うことは、心身ともに疲弊してしまうことも少なくありません。そのような状況から、仕事や周囲の方々に悪影響を与えてしまうおそれもあります。さらには、大切なお子様の親権について「仕方がない」と諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

弁護士は、ご依頼者様の一番の味方となる存在です。離婚・親権問題という深刻でデリケートな問題をお一人で抱え込んでしまうのではなく、弁護士に打ち明けてみるのはいかがでしょうか?法律のプロであり離婚事案に精通した弁護士は、様々な要素を勘案しなければならない親権問題においても的確に対応することができます。お悩みの方はぜひ、弁護士への相談をお試しください。

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