共働き夫婦が離婚を考えたら知っておきたい「財産分与」について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

かつては、「夫は外で働き、妻は専業主婦として家庭を支える」という性別役割分担意識が浸透し、“共働き”である夫婦は少ない状況でした。しかし、今や共働き世帯は専業主婦世帯を大きく上回る数となっており(※2018年時点)、“共働き夫婦”という夫婦のかたちは珍しくない時代です。女性が働く環境の整備や、性別役割分担意識の変化等が、共働き世帯の増加の背景として考えられます。

共働き夫婦の場合、お互いに働いて収入を得ているため、離婚後の経済的不安を気にしなくて済むとイメージすることでしょう。その反面、離婚時にどのくらいのお金を受け取ることができるのか・渡さなければならないのか、気がかりな方も多いのではないでしょうか?離婚に伴い生じ得るお金の問題のうち、「財産分与」に焦点を当て、共働き夫婦が離婚するときの財産分与について、本ページで解説していきます。

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共働き夫婦が離婚したときの財産分与

離婚の際に取り決める離婚条件の一つに、「財産分与」があります。財産分与は、婚姻中に夫婦の協力によって築いた財産(共有財産)を、離婚時に分け合うというものです。では、共働きで、夫も妻も働いて収入がある場合、財産分与はどうなるのでしょうか?

共働きの場合、財産分与は半分ずつ?

夫婦の共有財産をどのくらいの割合で分け合うのか、財産分与の割合は、原則として2分の1とされています。共働きの場合であっても、この原則が適用され、基本的に財産分与は半分ずつの割合で行うことになります。

しかし、夫婦の事情によっては、財産分与を半分ずつの割合で行うことは不公平だと感じるケースもあるでしょう。そこで、例外的に財産分与の割合が2分の1ではない割合に修正されることがあります。例外的な扱いがなされるのは、どのようなケースなのでしょうか?以下、例を挙げて確認していきます。

収入に差がある場合は?

共働き夫婦といえど、夫は正社員で妻はパートという場合のように、収入に差が生じることは往々にしてあります。しかしながら、収入額の多寡は、財産分与の割合には基本的に影響しません。一方がより多くの稼ぎを得られているのは、家事や育児等で他方が支えているからこそだと考えられているためです。したがって、収入に差がある場合であっても、財産分与の割合は、原則として2分の1となります。

ただし、一方が医師やスポーツ選手等で、特殊な資格や才能等によって高額な収入を得ている場合には、例外的に財産分与の割合は2分の1とならず、修正されることがあります。

夫婦の一方が家事のほとんどをしていたら?

お互いに働いているにもかかわらず、家事の分担ができていない場合、家事の負担が大きい分、財産分与を多く受け取りたいと思うでしょう。

この点、財産形成へのそれぞれの貢献度は、財産分与の割合に影響することがあり、家事も財産形成への貢献に含まれます。そのため、共働きで夫婦が同程度の収入を得ているケースで、夫婦の一方が家事のほとんどをしていた場合、財産形成への貢献度が高いとして、家事のほとんどをしていた者に対し、2分の1以上の割合で財産分与を受け取れるよう判断してもらえる可能性があります。

夫婦で会社を経営している場合は?

夫婦で会社を経営している、という共働き夫婦の方々もいます。この場合も、財産分与の割合は、原則として2分の1となります。

ただし、一方の経営手腕により、事業が拡大して多額の財産が得られている場合、財産形成への貢献度から、その者の財産分与の割合の方が多く認められる可能性があります。このように、夫婦で共同経営者となっていたとしても、その内情によっては、財産分与の割合は原則の2分の1から修正されることがあるのです。

共働き夫婦の財産分与で不明点があれば、一度弁護士にご相談ください

夫婦の共有財産は2分の1の割合で、半分ずつ分け合うというのが財産分与の原則です。しかしながら、どのような状況でも必ず2分の1の割合になるわけではありません。個別の事情によっては、例外的に財産分与の割合が2分の1ではない割合に修正される可能性があります。

共働き夫婦で、離婚時の財産分与の割合がどうなるのか、2分の1ではない割合が認められる余地はあるのか、不明点がある場合には一度弁護士にご相談ください。法律の専門家である弁護士は、ご相談者様のお話をしっかりと伺い、ご状況を把握したうえで、適切に助言することができます。

納得できない内容で財産分与を取り決めてしまい、後悔する事態となることを防ぐためにも、共働き夫婦の財産分与についてお悩みの際は、弁護士への相談をおすすめします。

離婚時の財産分与の決め方

離婚時に財産分与の取り決めをする場合、基本的には、「協議調停裁判」という流れで離婚成立に向けて進めていき、そのなかで離婚と併せて財産分与について決めていきます。詳しくは、下記のページをご覧ください。

さらに詳しく
財産分与の方法と手続

なお、離婚とは別に財産分与のみを単独で決めていくことも可能です。この場合には、「協議→調停(財産分与請求調停)→審判」または「協議審判」という流れになります。

家計を別々に管理しているときの注意点

家計の管理の仕方は夫婦によって異なりますが、共働き夫婦においては、それぞれで財布の管理をし、食費や光熱費等の費目ごとに分担して出し合い、残りのお金の使い道は自由にするという場合もあるかと思います。

このように、家計(財布)を別々に管理している場合、相手の預貯金額がいくらあるのか、どのくらいの資産を持っているのかがわからず、相手の財産を把握できていない方は多いのではないでしょうか?夫婦で財布を別にしていても、婚姻中に稼いだ収入やその収入で得た財産は、財産分与の対象になります。そのため、財産分与するにあたっては、相手の財産をきちんと把握し、対象となる財産がどのくらいあるのかを確認することが重要です。

配偶者の財産を把握する方法は?

相手が包み隠さず自身の財産状況を開示してくれれば良いのですが、財産分与として分け合うことを避けようと、一部の財産を隠したり、正確ではない情報を伝えたりすることもあり得ます。

配偶者の財産を把握するためには、まずは相手の預貯金通帳や給与明細(自営業の場合は確定申告書)、不動産登記簿、保険証券等を探してみましょう。これらの書類は、財産分与の請求時の根拠資料となるよう、コピーをとっておくことをおすすめします。

この方法で配偶者の財産のすべてを把握することが難しい場合には、弁護士に依頼し、弁護士会照会制度の利用によって、配偶者の財産を調べてもらうという方法もあります。

また、離婚裁判を行うことになった場合や、財産分与を請求して審判手続に進んだ場合等では、調査嘱託を申し立てることで、裁判所を通じて配偶者の財産を調べてもらえる可能性があります。

夫婦で購入した家のローンが残っているとき

共働き夫婦の場合、家を購入したとき、夫婦の共有名義で住宅ローンを組んでいることも珍しくはないかと思います。離婚時に、夫婦で購入した家のローンが残っているとき、離婚したとしてもローン名義人は夫婦のままです。

そこで、どちらか一方が離婚後も家に住み続けることになったら、住宅ローンの名義を、住む方の単独名義に変更したいと思うでしょう。しかしながら、住宅ローンの借入先である金融機関としては、夫婦2人の収入に基づいて返済能力を審査し、契約を結んでいます。そのため、単独名義となる者の収入が契約時よりも大幅に増加している等の事情がなければ、金融機関に変更を認めてもらうことは難しいといえます。

なお、住宅ローンの借り換えといって、現在の住宅ローンから新たな住宅ローンに組み直すという方法で、ローン名義人を変更できる可能性はあります。

夫婦の一方が連帯保証人になっている場合

夫婦のどちらかを主債務者、もう一方を連帯保証人として住宅ローンを組み、家を購入したというご家庭もあるかと思います。しかし、離婚する際に家のローンの返済が済んでいないと、離婚後も連帯保証人としての返済義務は残ります。

「新しく連帯保証人となってくれる人を探す」「住宅ローンの借り換えをする」等の方法で、連帯保証人の地位を外すことができる場合もありますが、いずれの方法においても、困難を強いられる可能性は否めません。

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共働き夫婦の財産分与に関するQ&A

Q:

離婚を機に妻が退職し、退職金が支払われました。共働きでも退職金の財産分与は可能ですか?

A:

共働き夫婦の場合、双方が婚姻中に形成した財産は、夫婦共有財産として財産分与の対象になります。そして、退職金は、給与の後払い的な性格を持っており、婚姻中に形成した分については、財産分与の対象になります。具体的には、勤続期間に対する婚姻期間の割合で算定します。

Q:

共働きですが夫婦の勤務時間に差があります。この場合でも財産分与は折半になりますか?

A:

共働き夫婦の勤務時間に差があったとしても、基本的に財産分与は折半となります。ただ、夫婦の収入に著しい差があり、一方の配偶者が医師やスポーツ選手等で、特殊な資格や才能等によって高額な収入を得ている場合には、例外的に財産分与の割合は2分の1とならず、修正されることがあります。

Q:

共働きの夫婦でも年金分割をすることになるのでしょうか?

さらに詳しく

共働き夫婦の財産分与に関するご相談は、経験豊富な弁護士にお任せください

共働き夫婦の場合、お互いが経済的に自立できていることも多いでしょう。そのため、「離婚時の財産分与で揉めることなんてない」と思う方もいるかもしれません。ですが、夫婦間の収入の差や、離婚に至った原因、子供の有無等、ご家庭の状況によっては財産分与で揉めてしまうことがあります。

特に共働き夫婦だと、それぞれの収入は各自の名義の預貯金通帳に入れ、家計(財布)を別々に管理しているケースもあるかと思います。そこで、「相手の財産状況が把握できなくて困っている」「財産分与の対象がどのくらいあるのか気になる」このようなお悩みをお持ちの方もいるでしょう。

共働き夫婦の財産分与に関するご相談は、離婚問題について数多くの解決実績を持つ、経験豊富な弁護士にお任せください。個別の状況に応じて適切にアドバイスしたり、必要な手続を代わりに行ったりすることはもちろん、経験豊富な弁護士なら、培ってきた知識やスキルを駆使して、ご相談者様が抱えるお悩みに対し、最善な解決策を目指すことができます。共働き夫婦で、財産分与について疑問や不安がある方は、まずは弁護士に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。

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