離婚後の民間医療保険と生命保険の契約

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

結婚したら、配偶者や子供との暮らしを考えて生きていくことになります。そこで、自分に万一のことがあったときに備え、婚姻中に民間の医療保険や生命保険(死亡保険)に加入した方もいるでしょう。

しかしながら、様々な事情があり、離婚することとなった場合、家族構成は変わり、その後のライフプランも変わります。そのため、離婚する際には、今後の生活を見据えて、保険の見直しを行ったほうが良いといえます。

本ページでは、離婚に伴い、婚姻中に加入した民間の医療保険や生命保険(死亡保険)はどうしたら良いのか、保険の見直しにはどんなポイントがあるのか等について、解説していきます。

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医療保険の種類

医療保険には、「公的医療保険」と「民間の医療保険」があります。

公的医療保険は、怪我や病気をしたときにかかる医療費の一部を、公的機関等が負担してくれるという健康保険制度で、原則として全国民に加入が義務付けられています。主な公的医療保険としては、国民健康保険・全国健康保険協会(協会けんぽ)・組合健保・共済組合等があり、職業や勤務先等によって加入する保険が異なります。
離婚時の公的医療保険(健康保険)については、下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

一方、民間の医療保険は、民間の保険会社が販売している保険商品のことです。加入は任意であり、入院給付金と手術給付金の2つを主契約とするのが一般的です。
また、保障内容をより充実させるために、主契約には特約を付けることができますが、その種類や内容は保険会社によって様々です。入院時の差額ベッド代や先進医療の技術料等、公的医療保険では保障されない部分をカバーしてもらいたい、より手厚い保障を受けたいといった方が、民間の医療保険に加入することになります。

なお、本ページで「医療保険」という言葉を使用するときは、「民間の医療保険」を指すこととします。

離婚したら解約?変更?民間の医療保険と生命保険(死亡保険)について

離婚したからといって、婚姻中に加入した民間の医療保険や生命保険(死亡保険)を解約しなければならない、というわけではありません。離婚後も保険に加入し続けることは可能です。ただし、場合によっては、契約内容の変更手続を行わなければならないことがあります。

また、離婚するから保険を解約したいと思う方もいるかもしれませんが、解約によるデメリットも考慮したうえで、判断したほうが良いでしょう。

次項目より、さらに詳しく説明していきます。

契約内容の変更は契約者による手続が必要

離婚に伴い、住所変更や氏(姓)の変更等が生じたら、加入している保険会社に連絡し、変更手続を行う必要があります。手続方法は保険会社によって異なる場合があるため、各保険会社に連絡し、手続方法を確認しましょう。

また、生命保険(死亡保険)の場合、受取人(※1)を配偶者にしているケースは多いかと思いますが、離婚するから受取人を変更したいという方もいるでしょう。
この点、多くの保険会社は、被保険者(※2)の同意があれば生命保険(死亡保険)の受取人を変更できるとしています。そのため、生命保険(死亡保険)の被保険者と契約者(※3)が同一であれば、契約者は受取人の同意を要さずに、受取人を変更することが可能です。

※1「受取人」…保険金を受け取る人
※2「被保険者」…保険金の支払事由になる人。その人の怪我・病気・死亡等が保険の対象となる。
※3「契約者」…保険会社と契約を締結した人。保険料の支払義務を負う。

保険を解約した場合のデメリット

保険を解約すると、当然ながら保障を受けることはできなくなります。そのため、解約手続が完了した後に怪我を負ってしまい、入院せざるを得なくなった等の保険金の支払事由が発生したとしても、医療保険による保障は受けられません。

また、契約期間の途中で保険を解約したとき、「解約返戻金」というお金が戻ってくるケースがあります。ただ、解約返戻金の有無は保険の種類や契約内容によって異なり、医療保険では、解約返戻金がないケースが多いです。
一方、生命保険(死亡保険)では、貯蓄型の場合は解約返戻金がありますが、今まで支払った保険料が必ず満額戻ってくるわけではありません。戻ってくる金額は、返戻率や保険料の支払期間等で違ってきます。

さらに、保険を解約して新たな保険に加入した場合、加入時の年齢が上がることで、保険料が高くなるおそれがあります。この点も、保険を解約した場合のデメリットの一つに挙げられます。

離婚の際は医療保険、生命保険(死亡保険)の見直しを

離婚後、子供の親権者となってひとりで子育てしていく人もいれば、結婚している間は専業主婦(主夫)であったものの働きに出る人もいるなど、夫婦それぞれの生活スタイルは婚姻中とは異なってきます。「経済的に苦しいので保険料を安くしたい」「健康面に不安があるので保障内容を増やしたい」「自分ひとりだけの生活なら保障内容を減らしたい」等、保険に対する考えも変わってくるでしょう。
そのため、離婚後の生活状況に合わせ、医療保険や生命保険(死亡保険)の見直しをすることが大切です。

特に離婚して母子家庭・父子家庭になる場合には、今後、怪我や病気で働けなくなったとき、減少した収入をカバーするために所得補償保険に加入する等、新たな保険への加入を検討してみても良いでしょう。

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生命保険(死亡保険)について

自分にもしものことがあったとき、残された配偶者や子供が生活に困らないようにと、結婚して生命保険(死亡保険)に加入する方もいます。

離婚時には、婚姻中に加入した生命保険(死亡保険)について、以下のとおり注意しておいたほうが良いことがあります。

解約したら解約返戻金は財産分与の対象となる

離婚に伴い、婚姻中に加入した生命保険(死亡保険)を解約すると、解約返戻金を受け取れることがあります。この解約返戻金は、離婚時に夫婦で財産を分け合う「財産分与」の対象となります。また、解約しなかったとしても、掛け捨て型ではない貯蓄型の生命保険(死亡保険)の場合、解約返戻金に相当する金額が、財産分与の対象に含まれることになります。

財産分与の概要は下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

解約しない場合

離婚したからといって、保険の契約内容が変わるわけではありません。生命保険(死亡保険)の受取人を配偶者としていて、離婚後も受取人を変更しないままでいたら、ご自身が死亡したとき、元配偶者が保険金を受け取ることになります。

離婚後、別の相手と再婚する方もいるでしょうから、ご自身にもしものことがあったとき、保険金を巡ってトラブルにならないよう、生命保険(死亡保険)を解約しない場合には、受取人を変更する等、保険の見直しをきちんとしておきましょう。

子供がいる場合

子供がいる場合には、婚姻中に相手が加入した生命保険(死亡保険)について、受取人がどうなっているか確認しておくことをおすすめします。

離婚し、子供の親権を得て監護親となった方は、相手(非監護親)に対し、「養育費」を請求することができます。しかし、離婚後、相手が亡くなったら、それから先の養育費を受け取ることはできなくなってしまいます。このような場合、相手の生命保険(死亡保険)の受取人がご自身や子供となっていれば、保険金を養育費代わりにして、子供の成長のために役立てていくことができます。

養育費の概要は下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

さらに詳しく
子供の養育費と相場

生命保険(死亡保険)の契約者・受取人の変更の具体例

離婚するにあたり、生命保険(死亡保険)の見直しを行った結果、契約者や受取人を変更したいと思う方もいるでしょう。ここで、生命保険(死亡保険)の契約者と受取人について、変更の具体例を紹介していきます。

契約者と受取人が夫の場合

契約者と受取人が夫の場合

「被保険者」は妻であるものの、収入の関係から保険料を支払う「契約者」を夫にしており、「受取人」も夫の場合について、妻の目線で考えてみます。

自分に万一のことがあったときに備え、保険金がおりるようにしておきたいのであれば、契約者を自分(妻)に変更することで、自分の保険として継続できます。そして、契約者を変更したら、受取人を夫のままとすることは望まない方が多いかと思います。そのときは、夫から自分の親や子供等に、受取人を変更することになるでしょう。

契約者が妻で受取人が夫の場合

契約者が妻で受取人が夫の場合

次に、「契約者」と「被保険者」は妻、「受取人」は夫としていた場合で、こちらも妻の立場だとどう考えられるのか、確認していきます。

離婚するなら、夫に保険金がわたるようにしておく必要性はないと考えるのは、自然なことかと思います。その場合は、新たな受取人として自分の親や子供等を指定し、変更手続を行います。

よくある質問

Q:

離婚の際、生命保険(死亡保険)の受取人を変更する場合は誰を受取人にするのが良いですか?

A:

離婚後の子供の生活費のことを考えて、子供を受取人とすることをおすすめします。また、子供が未だ幼い場合、子供自身での財産管理は難しいので、ご自身の両親を受取人としておくのも良いと思います。

Q:

節税のために生命保険料控除を活用したいのですが、受取人が元配偶者でも控除の対象となりますか?

A:

所得税法上、生命保険料控除を受けられる対象とされているのは、一定の生命保険契約等で、その保険金等の受取人の全てを、その保険料の払込みをする者またはその配偶者、その他の親族とするものです(所得税法76条)。
したがって、離婚後、生命保険の受取人が元配偶者となっている場合、保険料を負担したとしても、生命保険料控除の要件を満たさないため、控除の対象にはなりません。

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