マザコンの夫と離婚したい | マザコン夫5つの特徴

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員
夫が母親思いであるのは良いことですが、度を超えたいわゆる「マザコン」であることが発覚した場合、このまま結婚生活を続けていけるのか、悩まれる方もいらっしゃるでしょう。妻よりも母親を大事にされたら、妻としては、夫への愛情が薄れていき、別れたいと思われるのも無理はありません。
マザコン夫と離婚したい場合、何に注意すべきなのか、そもそもマザコンを理由に離婚することはできるのか等、「マザコン夫との離婚」について、本ページで詳しく解説していきます。
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マザコン夫の特徴
マザコンとは、“マザーコンプレックス”の略称で、子供が母親に依存し、強い愛情を抱いている状態を意味する和製英語です。 「母親思いであることとは何が違うのだろう?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。どのような言動をしていたらマザコンだといえるのか、明確な基準はありませんが、以下に挙げるような言動があった場合、マザコン夫の疑いがあります。
母親に何でも相談する
夫が母親に何でも相談している場合、マザコンが疑われます。
マザコン夫は、日常生活でのほんの些細なことから、仕事のトラブル、はたまた夫婦の問題といったことまで、何かある度に母親に意見を求めがちです。
また、マザコン夫は、母親から自立できておらず、自分で意思決定するのが苦手で、“母親の意見は絶対”という考えを持つ傾向にあります。そのため、母親の意見に従って物事を決めることが多いでしょう。さらには、「母親がこう言っているんだからお前もそうしろ」などと、母親の意見を妻に強要してくることもあります。
妻より母親を優先する
マザコン夫は、母親を誰よりも優先する傾向にあります。
また、子供っぽい性格の人が多く、夫としての自覚がないばかりか、子供ができても自分が父親だという自覚がないのも、マザコン夫の特徴として挙げられます。
例えば、妻との予定が入っていても母親の急な頼み事を聞いたり、子供の学校行事よりも母親との約束を優先したりする人もいます。
妻と母親を比較する
マザコン夫の場合、理想の女性像は母親だという人が多く、何かと妻と母親を比べがちです。例えば、妻の手料理に対し、「母親の味付けと違う。母親の料理の方がおいしい。」などと言い、母親と比較したうえに妻に文句を言う夫は、マザコンである可能性が高いです。
夫婦のデートや旅行に母親も同行
夫からデートや旅行に誘われたら、夫婦2人きりで過ごすものだと想像しませんか?しかし、なかには母親を同行させる夫もいます。夫婦のデートや旅行に夫の母親も同行したら、妻としては心置きなく楽しむことは難しいでしょう。マザコン夫の場合、そんな妻の気持ちも考えず、当然のごとく夫婦のデートや旅行に母親を連れてくることがあります。
度を越して実家に行く回数や連絡が多い
何か特別な用があるわけでもないのに、頻繁に実家に帰る、仕事終わりにいつも実家に立ち寄るなど、度を越して実家に行く回数が多い夫は、マザコンである可能性があります。また、毎日、母親とメールや電話をして日々の出来事を話すなど、母親への連絡が多い場合も、マザコンが疑われるでしょう。
マザコン夫と離婚できる?
離婚方法のうち「協議」や「調停」による離婚なら、基本的に夫婦がお互いに“離婚しよう”と合意すれば、マザコン夫と離婚することができます。
「協議」は夫婦間で話し合うこと、「調停」は家庭裁判所の調停委員を間に挟んで話し合うことをいいます。いずれも離婚理由は問われないので、マザコンを理由に離婚することも可能です。
しかし、合意できずに「裁判」を行うことになった場合、離婚するかどうかは裁判所が決めます。このとき、「マザコンだから」という理由だけでは、離婚を認めてもらうのは難しいでしょう。裁判で離婚が認められるためには法定離婚事由が必要であり、そのなかに“マザコン”の文言はないからです。ただ、個別の状況によっては、法定離婚事由があると判断される場合もあります。
今回ご紹介した3つの離婚方法(協議・調停・裁判)について、詳しい内容は以下の各ページをご覧ください。
法定離婚事由とマザコンは結びつくのか
法定離婚事由には、次の5つがあります。
- ①配偶者に不貞な行為があったとき
- ②配偶者から悪意で遺棄されたとき
- ③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- ④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
一見すると、どれもマザコンとは結びつきそうにありませんが、夫のマザコンがきっかけで夫婦関係が破綻している状況にあるなら、「⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性があります。
ただ、そう判断してもらうためには、夫婦関係の破綻を証明する客観的な証拠が必要です。例えば、「長期間別居していることを示す賃貸借契約書や住民票」「侮辱されている場面の動画・録音データ」などが、客観的な証拠になり得るでしょう。
法定離婚事由についての詳細は、下記のページをご覧ください。
離婚時の注意点
マザコン夫と離婚する際には、次のような点に注意しましょう。
話し合いの進みが遅いこともある
マザコン夫は、離婚の話し合いでも母親に相談するでしょう。いちいち母親の意見を聞いてから、離婚条件などを決めていくとなると、話し合いの進みは遅くなってしまいます。弁護士に依頼すれば、夫との話し合いを代行してもらえますので、負担を減らすためにも検討してみるといいかと思います。
親権問題
夫の母親が子供を手放したくないとして、親権問題に首を突っ込んでくる可能性があります。そうすると、マザコン夫は母親の意見に従う傾向にあるので、親権を巡って争いが生じてしまうでしょう。
なお、夫婦間での話し合いでは決着がつかず、調停や裁判を行う場合、夫の母親が同席することは基本的にできません。
夫が離婚に賛成してくれなかった場合の対処法
マザコン夫は、自分がマザコンであることに気づいていないケースが多く、離婚したいと伝えたところで、なかなか応じてくれないこともあります。
夫が離婚に賛成してくれなかった場合、どうしたらいいのでしょうか?対処法として考えられるのは、例えば、「別居する」「義母が離婚に賛成してくれるように働きかける」などの方法です。それぞれ詳しく確認していきましょう。
離婚前に別居するのも一つの方法
離婚を切り出した当初は、お互いに感情的になってしまいがちです。そこで、別居して距離を置き、お互いに冷静に考える時間を持ってみるのも一つの手です。じっくり考えた後、改めて話し合ってみると、意見がまとまりやすくなることもあるでしょう。
また、別居期間がある程度長くなると(一般的な目安は3~5年程度)、夫婦関係は破綻しているとして、離婚裁判で離婚が認められる可能性があります。
なお、別居の仕方によっては離婚争いで不利な立場になってしまったり、別居前に確認しておかないと離婚条件で損してしまったりすることもあるので、注意が必要です。別居の注意点について、詳しくは下記のページをご覧ください。
義母が離婚に賛成してくれるように働きかける
マザコン夫の特徴の一つとして、「母親の意見が絶対」と考えることが挙げられます。
そのため、義母が離婚に賛成すれば、夫もその意見に従い、離婚に賛成してくれる可能性があります。母親の意見に左右される夫に嫌気がさしてしまうかもしれませんが、離婚を実現するための手段だと割り切り、義母が離婚に賛成してくれるように働きかけるという方法も検討してみるといいでしょう。
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メールで相談するマザコンを理由に離婚した場合、慰謝料請求できる?
マザコンを理由に離婚した場合、慰謝料請求は難しいです。請求すること自体は自由ですが、理由がマザコンのみだと、不法行為には当たらないとして、裁判所に慰謝料請求は認められにくいでしょう。
ただし、「母親はできるのに何でお前はできないんだ」など、批判や罵倒をされている場合には、モラハラを理由に慰謝料を請求できる可能性があります。また、マザコンのほかに、不倫(不貞行為)やDVの事実がある場合には、それらを理由に慰謝料を請求することが可能です。いずれにしても、慰謝料を請求する理由となった相手の行為を証明しなければなりませんので、証拠をしっかりと集めておきましょう。
モラハラ・不貞行為・DVの証拠について、それぞれの詳しい内容は、下記の各ページをご覧ください。
義母への慰謝料請求は可能か?
夫のマザコンが原因で夫婦関係が破綻しても、あくまで夫婦の問題であるため、義母に対して慰謝料を請求することはできません。ただ、義母からモラハラを受けていた等の事情があれば、不法行為に該当するとして、慰謝料請求できる可能性もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
マザコン夫との離婚に関するQ&A
- Q:
マザコン夫から義母と同居するように言われましたが、義母とうまくいっていないため同居したくありません。拒否した場合は法定離婚事由にあたりますか?
- A:
義母との同居を拒否する行為は、法定離婚事由にあたりません。夫婦には同居義務があるものの、それぞれの両親との同居義務はないので、義母と同居するよう夫が妻に強制することはできないからです。
むしろ、マザコン夫の行為の方が、法定離婚事由にあたる可能性があります。例えば、妻と義母がうまくいっていないことを知りながら、それを放置し、義母の意見に従って同居を妻に強制した結果、妻が夫への信頼をなくして夫婦関係が壊れたというような場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」という法定離婚事由が認められる余地があるでしょう。
- Q:
マザコン夫の母親が子供の面倒をみるという場合、親権争いに影響はありますか?
- A:
マザコン夫の母親が子供の面倒をみると主張してきた場合、離婚後の養育環境が整っているとして、夫側に有利に働き、親権争いに影響する可能性はありますが、必ずしも夫側に親権が認められるわけではありません。
裁判所は、様々な事情を総合的に判断した結果、夫婦のどちらが親権を得た方がいいか決めます。離婚後の養育環境のほか、これまでの子育ての状況、経済事情、子供の年齢なども考慮されます。したがって、妻がこれまで主に子供の世話をしてきたといったように、妻側に有利に働く事情があれば、妻が親権を獲得できる可能性は十分にあります。
マザコン夫と離婚したい場合は弁護士に相談して早期解決を目指しましょう
マザコン夫が離婚に応じてくれない場合、最終的には離婚裁判を行うことになりますが、マザコンを理由とした離婚は、認めてもらうのが難しいです。しかし、マザコンがきっかけで夫婦関係が壊れてしまった場合など、状況によっては離婚が認められる可能性もあります。
「夫が母親の肩ばかり持って自分の味方は全然してくれない…」など、夫のマザコンに悩む女性は少なくありません。耐え切れず、離婚を決意することもあるでしょう。弁護士にご相談いただければ、離婚するためにはどのような手順で進めればいいのか、どのような証拠を集めた方がいいのか等、丁寧にアドバイスいたします。
また、マザコン夫とのやりとりを代わりに行うことなども可能なので、精神的にも楽になるかと思います。マザコン夫との離婚についてご不安があるときは、早期解決のためにも、まずは弁護士にご相談ください。
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- 監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
- 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)