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夫をATM扱いする妻との離婚

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
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ATM生活に限界を感じる男性からの相談例

僕の妻は、僕をATMがわりにしていて、何かある度にお金を要求してきます。断ると怒って家事を拒否する始末。最近では、友人と旅行にいくからと数十万円を要求してきました。さすがに使いすぎだと言いましたが、彼女が感情を露わにして怒り、渡さざるを得ない状況に。娘もいるので、このままでは娘の学費をも浪費してしまうのではないかと、不安でたまりません。

お互いに愛はないこともとっくに分かっているため、早く離婚したいと思っております。僕自身も、妻の浪費と暴挙にもうすでに限界を感じております。今まで渡したお金は、何百万になるかわかりませんが、返してほしいとは思いません。その代わり、娘の親権だけはほしいのです。どのように対応するのが一番いいか、教えてください。

お金だけの関係は離婚理由になるのか?

この場合、相手の浪費の程度にもよりますが、単純に「夫をお金を入れる道具(ATM)としか見ていない」「妻に浪費癖がある」というだけでは離婚原因にはなりにくいです。

民法では、離婚原因は以下の通りとされています。

  • 不貞
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復しがたい精神病
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

夫をお金を入れる道具としか見ていない場合や多少の浪費癖があると言った程度では、上記のどれにも該当しません。
ただし、妻の夫に対する態度や浪費癖が原因で、夫婦関係が悪化して修復不可能になってしまったケースでは、その他婚姻を継続し難い重大な事由が認められて離婚ができる可能性もあります。

たとえば、この問題が原因で夫婦の間で喧嘩が絶えなくなり、別居してしまって数年が経過したなどのケースでは離婚が認められる可能性があります。

どのような対応方法がありますか?

この場合、今すぐに裁判をしても離婚が認められない可能性が高いですが、妻との話し合いによって離婚をすることは可能です。
日本では、協議離婚をする場合には、法定の離婚事由を満たす必要はなく、夫婦の双方が離婚に納得してさえいれば離婚が認められるからです。

そこで、まずは妻に離婚の話を持ちかけて、離婚することに納得してもらい、離婚の条件を話し合いましょう。ただし、このとき、相手に慰謝料を請求することは基本的に難しいと考えた方が良いです。

夫が働いて家にお金を入れるという形態の家庭では、夫が妻を扶養する義務を負うので、妻が夫に対してお金を入れる道具としてしか見ていなくても、当然に有責性が認められることにはならないからです。また、現実的にもそのような浪費家の相手に対して慰謝料を請求しても払ってもらえる可能性が少ないことは容易に想像がつくでしょう。

重要なのは、子どもの親権です。子どもが乳幼児期の場合、母親が優先される傾向があるので、このような相手の場合でも、子どもが小さければ妻に親権をとられてしまう可能性が高いです。

子どもが学童期に入っていると、比較的父親でも親権をとりやすいです。そのためには、子どもと一緒に過ごす時間を増やして、子どもを自分でも育てられるという環境を用意しましょう。別居する際には、必ず子どもを連れて一緒に出る(または妻に一人で出て行ってもらう)ことが重要です。

以上のように、妻が自分のことをATMとしか見ていないケースで離婚するためには、いろいろな点に注意しながら進めていく必要があります。自分一人では適切に進められない場合には、弁護士に相談すると良いでしょう。

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