女性が離婚するメリットとは?デメリットや有利に進める方法を解説

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
離婚には、夫からの束縛や夫婦関係のストレスから解放されるなど、女性にとって前向きなメリットもあります。自分らしい生活を取り戻すきっかけになることもあるでしょう。ただし、経済的な不安や子供への影響など、見過ごせないリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
この記事では、女性が離婚を考える際に知っておきたいメリット・デメリット、そして離婚を有利に進めるためのポイントについて、わかりやすく解説します。
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女性が離婚する5つのメリット
女性が離婚する際の主なメリットには、以下のようなものがあります。
- 夫から離れられる
- 子供を守れる
- 自分の時間をとれるようになる
- 新たな恋人や人間関係が生まれる
- 夫の親族との付き合いから解放される
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
夫から離れられる
女性が離婚するメリットとして、「夫から離れることで精神的・肉体的負担から解放される」点が挙げられます。
たとえば、夫からの過度な束縛や干渉により自由が制限されていた場合、離婚によって自分らしい生活を取り戻すことができます。また、DVやモラハラといった深刻な問題を抱えていた場合には、離婚が心身共に安全な環境を得るための手段となるでしょう。
さらに、夫の日常的な世話を妻が担っていたケースでは、その負担から解放され、自分自身の人生を見つめ直す時間を持てるようになるでしょう。
子供を守れる
夫婦に子供がいる場合、離婚によって「夫から子供を守る」ことができるのは大きなメリットです。
たとえば、夫による暴力や精神的虐待、DV・モラハラのある家庭環境は、子供に深刻な影響を与えている可能性があります。夫婦喧嘩が絶えない状況も、子供の安心感や心の安定を損なう原因になります。
離婚して、こうした環境から離れることで、母子ともに安全で落ち着いた生活を手に入れられ、子供の健やかな成長にもつながるでしょう。
自分の時間をとれるようになる
離婚によって「自分の時間を自由に使えるようになる」ことも大きなメリットでしょう。
結婚生活では、夫の生活リズムに合わせたり、夫の分まで家事をしたり、夫のために多くの時間と労力を費やしている女性も少なくありません。こうした負担から解放されることで、自分のペースで生活できるようになり、心身のゆとりが生まれます。
また、自分の時間が増えることで、趣味や友人との交流など、自分自身の生活を豊かにするものに多くの時間を使えるようになるでしょう。
新たな恋愛や人間関係が生まれる
女性にとって前向きなメリットの一つに、「新たな恋愛や人間関係が生まれる可能性がある」という点が挙げられます。
結婚生活では夫との関係に縛られて、人間関係が制限されていると感じていた方もいるでしょう。離婚によってその制約がなくなり、自分の意思で人間関係を築けるようになります。
また、離婚という人生経験を経たことで、自分自身の価値観や人との向き合い方が深まり、より成熟した人間関係を築けるようになるでしょう。新しい恋愛ができるだけでなく、友人や仕事仲間との関係もより充実したものになる可能性があります。
夫の親族との付き合いから解放される
結婚生活において、夫の親族との関係に悩みを抱える女性は少なくありません。義実家との付き合いや、嫁姑問題、さらには義両親の介護など、夫の家族にかかわる負担が精神的・時間的なストレスになっているケースもあります。
離婚によって、こうした関係性から解放されることは、女性にとって大きなメリットとなり得るでしょう。
夫の親族との関係は、本人の努力だけでは改善が難しい場合も多く、無理に関係を続けることで心身に悪影響を及ぼすこともあります。離婚によってその義務や責任から解放され、より穏やかで自由な時間を過ごせるようになるでしょう。
女性の離婚でデメリットやリスクはある?
女性の離婚には大きなメリットがある一方、以下のようなデメリットやリスクもあることに注意が必要です。
- 経済的な負担がかかる
- 子供が父親を失ってしまう
- 離婚の話し合いや手続きが大変
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
経済的な負担がかかる
女性の離婚の大きなデメリットとなり得るのが、「経済的な負担」です。
特に、離婚前に専業主婦やパート・アルバイトなど収入が限られていた方にとっては、離婚後すぐに安定した収入を得るのは容易ではありません。
そのため、離婚を考える際には、事前に仕事を探しておく、貯金をしておくなどの準備が必要です。また、離婚時には慰謝料や財産分与、養育費、年金分割など法的に請求できるお金を最大限受け取ることが、離婚後の生活を安定させるための鍵となります。
また、夫よりも収入や財産が多い場合には、財産分与によって自分の資産が減る、年金分割によって将来的にもらえる年金が減るといったデメリットもあります。
子供が父親を失ってしまう
離婚によって新たな生活を始める一方で、子供にとっては「父親との関係が希薄になる」という大きな変化が伴います。特に父親との関係が良好だった場合は、離婚によってそのつながりが断たれることが、子供の心に深い影響を与える可能性も否定できません。
また、母親が子供を引き取った場合、離婚後は基本的に母親が家事や育児を一人で担うことになるため、生活の負担が増えることもリスクです。仕事と家庭の両立に追われる中で、子供との時間が十分に取れなくなることもあり、母子ともにストレスを抱える場合があります。
離婚の話し合いや手続きが大変
離婚を決意しても、実際に離婚に至るまでには多くの困難が伴います。特に夫との話し合いでは、感情のぶつかり合いや意見の食い違いが起こりやすく、精神的な負担を感じる方も少なくありません。
さらに、離婚手続きには時間と労力もかかります。協議離婚であっても、財産分与・親権・養育費などの重要な取り決めが必要です。話し合いがまとまらない場合は、調停や裁判に発展することもあり、手続きはより複雑になります。
特にお子さんがいる場合は、離婚後の戸籍変更や児童扶養手当の申請など、対応すべき手続きが多岐にわたります。
女性が離婚を有利に進める方法
離婚を有利に進めるための方法には、以下のようなものが挙げられます。
- 離婚前に請求できるお金を把握しておく
- 離婚原因の証拠を集める
- 離婚後の生活を見据えて準備をする
では、それぞれどのような準備が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
離婚時に請求できるお金を把握しておく
離婚を有利に進めるためには、請求できるお金の種類と内容を事前に把握しておくことが重要です。
財産分与 | 結婚期間中に夫婦で築いた財産を公平に分けることで、預貯金、不動産、保険などが対象です。 |
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年金分割 | 結婚期間中の厚生年金保険料の納付記録を分割できる制度で、将来の年金受給額に影響します。 |
慰謝料 | 不貞行為(不倫)やDV、モラハラなど、精神的・肉体的苦痛に対して請求できる損害賠償です。 |
養育費 | 子供を監護・養育するために必要な費用で、基本的には子供が成人するまで継続的に支払われます。 |
このほかにも、離婚前に別居をする場合は、生活費や子供の養育費として、夫に「婚姻費用」を請求できるケースがあります。
離婚時に取り決めた内容は、公正証書として書面に残しておくようにしましょう。なお、「強制執行認諾文言付き」公正証書にすることで、万が一支払いが滞った場合でも強制執行の申立てが可能です。特に養育費や慰謝料など、長期的な支払いに関する項目は、法的効力のある文書に残しておくと安心です。
離婚原因の証拠を集める
離婚を有利に進めるためには、感情的な話し合いだけでなく、自身に有利な主張を裏付ける客観的な証拠をしっかりと準備しておくことが重要です。特に、財産分与や養育費、慰謝料などの金銭的な話し合いを行う際には、証拠の有無が結果に大きく影響するケースがあります。
【証拠の一例】
- 夫の収入や資産状況の把握
➡通帳のコピーや収入証明書(源泉徴収票・給与明細書など) - 離婚原因がDVやモラハラの場合
➡暴言の録音、暴力の写真、医師の診断書、警察への相談記録、SNSやメールのやり取り など - 離婚原因が不貞行為(不倫)の場合
➡肉体関係があるとわかる写真や動画、ラブホテルの領収証、SNSやメールのやり取り など
これらの証拠は、調停や裁判になった際にも非常に重要な資料となります。証拠があれば主張の信頼性が高まり、交渉を有利に進められます。
DVやモラハラの証拠については、以下のページで詳しく解説しています。
離婚後の生活を見据えて準備をする
離婚後の生活を安定させるためには、事前準備が欠かせません。まず、離婚後に住む場所を確保しておくことが重要です。実家に戻るのか、賃貸を借りるのかなど、生活環境を具体的に考えておきましょう。
また、仕事や収入の見直しも必要です。現在の働き方で生活が成り立つかを確認し、必要に応じて転職や資格取得など、できることから始めてみるのが大切です。
さらに、離婚後の収支のバランスを見据えたライフプランを立てておくことで、経済的な不安を軽減できるでしょう。
女性が離婚を弁護士に相談するメリット
弁護士に相談することで、離婚に伴う不安や負担を軽減し、女性が自分らしく新しい生活を始めるための強力なサポートを得ることができるでしょう。
女性が離婚を弁護士に相談するメリットには、以下のようなものがあります。
- 夫とのやり取りによる精神的な負担が軽減される
弁護士に相談すれば、夫とのやり取りを代理してもらえ、感情的な衝突を避けられ、精神的負担も軽減されます。 - 離婚に関する法的なサポートやアドバイスができる
財産分与や養育費、慰謝料、年金分割などの離婚条件について弁護士に相談することで、専門的なアドバイスを受けられ、権利を正しく理解することができます。 - 女性が不利にならないよう離婚条件の交渉を任せられる
離婚条件の交渉を弁護士に任せることで、感情に左右されず、法的根拠に基づいた交渉ができるため、納得のいく結果につながりやすくなります。 - 調停や裁判に発展した場合も対応できる
話し合いでは折り合いがつかず、調停や裁判に発展した場合でも、弁護士が代理人となって対応してくれるため、複雑な手続きや書類作成、法廷での主張などを安心して任せることができます。
女性の離婚に関するよくある質問
- Q:
女性が離婚することで税金面でのメリットはありますか?
- A:
離婚後は、税金面で一定のメリットを得られる可能性があります。具体的には、以下のような控除制度や公的支援を受けられる可能性があります。
- 住民税や所得税の負担が軽減される
婚姻中は夫の収入と合算されていたため、控除を受けられなかったケースでも、離婚後は世帯分離によりご自身の所得に応じた控除が適用されるようになります。 - 子供を扶養すれば扶養控除やひとり親控除などの制度を利用できる
ひとり親控除は、所得が500万円以下で生計を同一にする子供がいる場合に、所得税で35万円、住民税で30万円の控除を受けられます。これにより、税負担が大きく軽減されるケースがあります。
※令和7年度税制改正により、令和8年度以降分より所得税は38万円、令和9年度以降分より住民税は33万円になる見込みです
- 住民税や所得税の負担が軽減される
- Q:
女性が子連れ離婚をするメリットとデメリットを教えてください
- A:
子連れ離婚には、子供のためになる面もあれば、慎重に検討すべき課題もあります。
離婚を選ぶ前に、以下のメリット・デメリットをよく検討し、子供の気持ちや将来を見据えた準備とサポート体制を整えることが大切です。【メリット】
- 教育方針の違いから解放される
夫との教育方針の食い違いに悩まされることがなくなり、自分の考えに基づいて子供を育てることができます。 - 両親の不仲を子供に見せずに済む
夫婦喧嘩や冷え切った関係を日常的に目にすることは、子供にとって大きなストレスとなります。離婚によってそうした環境から子供を守り、穏やかな家庭環境を整えることができます。
【デメリット】
- 子供のメンタルに影響を及ぼす可能性がある
両親の離婚は、子供にとって大きな環境の変化です。寂しさや不安、自己肯定感の低下など、心理的な影響が出ることもあるため、丁寧なケアが必要です。 - ワンオペ育児になり負担が増える
離婚後は、家事・育児・仕事を一人でこなす必要があり、時間的・体力的な負担が大きくなります。サポート体制をどう整えるかが、離婚後の生活の鍵となります。
- 教育方針の違いから解放される
夫との離婚を検討されている方は弁護士法人ALGにご相談ください
離婚は人生の大きな転機です。感情的な葛藤だけでなく、法律やお金、子供のことなど、さまざまな課題が伴います。ひとりで悩みを抱え込まず、専門家に相談することで、安心して一歩を踏み出すことができます。
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まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)