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養育費を女性が払う場合の相場はいくら?具体例やポイントなどを解説

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

離婚後に養育費を支払うのは父親という印象が強いかもしれません。しかし、実際には収入や監護状況によって母親が支払う立場になるケースもあります。とはいえ「女性が払う場合の相場がどれくらいか分からない」という声は多く聞かれます。

この記事では、女性が養育費を負担する場合の相場を年収・子供の人数別に整理し、女性が養育費を払う際の注意点などをわかりやすく解説します。

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養育費を女性(母親)が払うケースとは?

養育費は「父親が支払う」というイメージが強いですが、実際には性別で決まるわけではありません。離婚後も父母には民法上の扶養義務があるため、子供と別居する側が養育費を支払います。

以下のような場合には、算定表に基づき支払いが必要になることがあります。

【母親が養育費を支払うケース】

  • 父親が親権・監護権を取得し、子供と同居している
  • 父親が養育費を請求している
  • 母親に一定の安定収入がある

養育費を女性が払う場合の相場はいくら?

女性が支払う養育費の金額は、父母それぞれの収入や子供の人数・年齢などを基準に算出され、家庭ごとの事情に応じて異なります。そのため、全国共通の「固定額」はありませんが、実務では裁判所が公表する「養育費算定表」が目安として広く用いられています。

算定表では父母の収入と子供の人数・年齢を組み合わせた場合の支払額が一覧で確認でき、女性が支払うケースも同じ基準で判断されます。相手との交渉が難しい場合でも、算定表を利用すれば、妥当な金額を検討しやすくなるでしょう。

ここからは、オンラインで養育費の目安を確認できるシミュレーションツールや、年収別の具体例をわかりやすく解説していきます。

妻の年収が300万円の場合

妻の年収が300万円の場合、夫の年収との組み合わせによって養育費の相場は変動します。収入差が大きいほど負担額も上下しますが、夫のほうが高収入でも、母親に一定の収入があれば養育費の支払いが免除されるわけではありません。

表で示される相場を参考に、適正額を把握しておくことが重要です。

妻の年収が300万円・夫の年収が300万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
15歳以上 2万~4万円 2万~4万円
2人 いずれも0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
3人 いずれも0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
妻の年収が300万円・夫の年収が400万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
15歳以上 2万~4万円 2万~4万円
2人 いずれも0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
3人 いずれも0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
妻の年収が300万円・夫の年収が500万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
15歳以上 2万~4万円 2万~4万円
2人 いずれも0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
3人 いずれも0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円

年収300万円の養育費相場については、下記のページでも詳しく解説しています。

妻の年収が400万円の場合

妻の年収が400万円になると、一定の生活能力があると判断され、養育費の負担割合が高まる傾向があります。双方の収入を比較したうえで負担額が決まる仕組みです。また、夫婦間の収入差が小さい場合は、算定表で中間的な額が示されることもあります。

下の表を参考に、年収400万円のケースで想定される目安額を確認してみてください。

妻の年収が400万円・夫の年収が300万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
2人 いずれも0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
いずれも15歳以上 4万~6万円 6万~8万円
3人 いずれも0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 4万~6万円 8万~10万円
いずれも15歳以上 4万~6万円 8万~10万円
妻の年収が400万円・夫の年収が400万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
2人 いずれも0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
いずれも15歳以上 4万~6万円 6万~8万円
3人 いずれも0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
いずれも15歳以上 4万~6万円 6万~8万円
妻の年収が400万円・夫の年収が500万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 2万~4万円
15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
2人 いずれも0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
いずれも15歳以上 2万~4万円 4万~6万円
3人 いずれも0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
いずれも15歳以上 4万~6万円 6万~8万円

妻の年収が500万円の場合

妻の年収が500万円ある場合、母親にも十分な収入があると判断されるため、夫の年収が300万円・400万円・500万円のいずれの場合でも、一定の養育費負担が想定されます。

以下の表で、年収500万円の場合に想定される具体的な目安額を確認できます。

妻の年収が500万円・夫の年収が300万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 4万~6万円 4万~6万円
15歳以上 4万~6万円 6万~8万円
2人 いずれも0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
いずれも15歳以上 6万~8万円 8万~10万円
3人 いずれも0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 6万~8万円 10万~12万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 6万~8万円 10万~12万円
いずれも15歳以上 6万~8万円 10万~12万円
妻の年収が500万円・夫の年収が400万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
15歳以上 4万~6万円 6万~8万円
2人 いずれも0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 4万~6万円 8万~10万円
いずれも15歳以上 6万~8万円 8万~10万円
3人 いずれも0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
いずれも15歳以上 6万~8万円 8万~10万円
妻の年収が500万円・夫の年収が500万円(給与所得者)の場合
子供の人数・年齢 養育費の相場
妻が給与所得者 妻が自営業者
1人 0~14歳 2万~4万円 4万~6万円
15歳以上 4万~6万円 4万~6万円
2人 いずれも0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 4万~6万円 6万~8万円
いずれも15歳以上 4万~6万円 6万~8万円
3人 いずれも0~14歳 4万~6万円 8万~10万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 4万~6万円 8万~10万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 6万~8万円 8万~10万円
いずれも15歳以上 6万~8万円 8万~10万円

年収500万円の養育費相場については、下記のページでも詳しく解説しています。

女性が払う養育費の相場をシミュレーション!

養育費の相場は、父母の年収や子供の人数・年齢によって大きく変わるため、女性が支払う場合でも自分のケースがいくらになるのか分かりにくいものです。

より正確な目安を知りたいときは、年収などを入力するだけで算定表を基に概算額を確認できる「養育費計算ツール」を活用すると便利です。

専業主婦やパートの女性が払う養育費の相場は?

母親が専業主婦やパート勤務の場合でも、収入状況によっては養育費の負担が生じることがあります。

専業主婦の場合

専業主婦で収入がない場合、養育費算定表では収入を「0」として扱います。そのため、基本的には支払い義務が発生しないケースが多く、実際に養育費を負担する状況は限られます。

ただし、子供が4歳以上の家庭では、「パート勤務をして一定の収入を得ることが可能」とみなされ、現実の収入がなくても、パートタイム労働者の平均賃金を前提に養育費を算出される場合があります。

パートの場合

パート収入が年125万円程度のとき、14歳以下の子供が1人の場合であれば、養育費相場は0~1万円程度が目安です。収入が低い場合は、支払い義務そのものが発生しない可能性もあり、自身の収入と父親側の収入を正確に把握することが重要です。

女性が養育費を払う際の3つのポイント

母親が養育費を支払う場合、金額の決め方や支払期間、取り決めの残し方など、事前に押さえるべき重要なポイントがあります。後々のトラブルを避けるためにも、以下の3点を確認しておくことが大切です。

  • ①養育費の金額は慎重に決める
  • ②支払期間を明確にする
  • ③養育費の取り決めは公正証書で残す

①養育費の金額は慎重に決める

養育費の金額は、一度取り決めると後から変更するのが難しく、安易に「減額したい」「見直したい」と考えても、認められるケースは限られます。そのため、最初の段階で自分の収入を踏まえ、無理なく支払える適正な相場を把握しなければなりません。算定表で目安だけでなく、家庭の事情を考慮して慎重に決めることが重要です。

負担が大きくなると、継続的な支払いが難しくなり、結果的にトラブルにつながるケースもあります。適正額が判断できないと感じたときや、相手との話し合いがうまく進まない場合には、弁護士への相談をおすすめします。

②支払期間を明確にする

養育費は、基本的に子供が20歳になるまで継続して支払うものとされています。しかし、進学状況などを踏まえて、合意により大学卒業までの支払いとするケースもあります。

支払期間を曖昧にしたままにすると、終了時期の解釈を巡って新たなトラブルが生じるおそれがあるため、離婚時には「いつからいつまで支払うのか」を明確に定めておくことが大切です。

途中で進学や生活状況に変化が生じても、支払期間が明記されていれば判断の基準になります。後々の争いを防ぐためにも、期間の設定は慎重に行いましょう。

養育費の支払い期間については、下記のページでも詳しく解説しています。

③養育費の取り決めは公正証書で残す

養育費を支払う側になると、「途中で金額を増やされないか」「約束した内容が勝手に変わらないか」といった不安がつきまといます。こうした心配を防ぐためには、取り決めた内容を、離婚協議書にまとめたうえで公正証書として残すことが重要です。公正証書にしておけば、万が一支払いが難しくなったときにも、明確な取り決めを基に交渉を進めやすくなります。

公正証書は原案の作成や手続きなど、専門的な知識が求められます。内容の漏れや誤りを防ぎ、負担を軽くするためには、弁護士に依頼する方法が安心です。

養育費の取り決めを公正証書で残すメリットについては、下記のページでも詳しく解説しています。

養育費を女性が払う際のよくある質問

Q:

養育費を払っている女性の割合はどのくらいですか?

A:

母親が養育費を支払っているケースは、実際には多くありません。厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」では、父子世帯のうち現在養育費を受け取っている割合は8.7%とされており、母親が養育費を支払っている割合は1割未満にとどまります。

割合が低い理由として、まず父親が親権を取得するケース自体が約1割前後と少ない点が挙げられます。そのため、結果的に「母親が支払う側」になる状況が限定的になっています。

さらに、離婚時点で女性が専業主婦やパート勤務である割合が高く、算定表上の年収がゼロまたは低額と扱われ、そもそも支払義務が発生しないことも背景に挙げられます。

Q:

養育費を払う女性が再婚したら、相場よりも減額できますか?

養育費を女性が払う際の相場は慎重に決める必要があるため、弁護士にご相談ください

養育費は一度取り決めると大幅な変更が難しいため、最初の段階で慎重に金額を判断しなければなりません。算定表だけでは判断しづらい事情がある場合や、収入の変動が予想される場合には、弁護士への相談をおすすめします。

弁護士法人ALGでは、離婚に詳しい弁護士がご相談者様のお悩みを丁寧にヒアリングし、年収・家計状況・将来の見通しを踏まえた適切なアドバイスが可能です。相手方との交渉や調停、公正証書の作成まで一貫して対応できるため、安心して話し合いを進められます。

女性の養育費の支払いについては、ひとりで悩む前に私たちにご相談ください。

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監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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